キャスターJoushiによるWorlds2019を見る前にDFMについて知っておくべきこと
みなさんこんにちは。今回はLJL英語放送のキャスターを務めるJoushi氏(@Joushi_TV)のがRedditに投稿したDFMに対する考察記事を翻訳しました。かなり詳しくて納得のいく考察ですので、ぜひご覧ください。
※この記事はJoushi氏から許可をもらって作成しています。
はじめに
Detnation Focus Meは2019年に行われた2シーズンで通算8度しか敗北を経験していないという好成績で、再びWolrdsへの挑戦を行おうとしている。昨年のWorldsで彼らはCloud9をギリギリまで追い詰め、Licoriceによる起死回生のプレイさえなければ、DFMはC9から1ゲームをもぎ取っていたはずだろう。
DFMは今年、彼らの国内での圧倒的な強さが決してまぐれ当たりではないことを証明した。今こそEUのキャスターであるVediusの最もお気に入りであるワイルドカード地域のチームがメジャー地域のチームたちに対して研いできた牙を剝く時だ。
ようこそみんな。今回は日本代表であるDFMについて知るべきことをまとめていくよ。僕はLJLの試合をここ数年、かなりの数見てきた。今回はトークショウ形式でまとめていくから、レギュラーシーズンを通してLJLについて詳しく知りたい人は是非以下の文章を読んでほしい。
DFMが2019年に負けた回数はたったの8回という事実
DFMは春シーズンに1回、MSIに2回、夏シーズンはプレイオフの敗北を足して合計4回試合を落としている。これだけの試合こなしているのに8度しか敗北していないというのは本当に信じられないものだ。だが我々はこの事実を真に受けすぎてはいけない。DFMが紛れもなくLJLで最も強いチームである一方で、LJL全体がここ数年で大きな変革を経験しながらも、彼らに抵抗しうる実力を持ったチームがなかなか誕生しなかったという経緯があるからだ。
手に負えないほどの実力を持った助っ人外国人と、類稀なる実力を秘めたルーキーというものは地域全体に少なからず影響を与えうるものだが、DFMというチーム自身がそのような才能のある選手を抱え込んでいるのである。
CerosはJapanese Faker? それともJapanese Keane?
※Keane(右):NAで活躍していた韓国人Midレーナー。Ceros選手のように独特なチャンピオンプールを持つ選手。
僕はおそらくこれを書いたということで多くの日本人ファンたちから顰蹙を買うだろう。
DFMで最も有名なmidレーナーであるCerosはWorldsという大舞台でハイマーディンガーやジグスという見慣れないヨードルたちをピックしまくって、その名を世界へと轟かせた。
Ceros選手は本当に日本のFakerなんだろうか?確かに彼は国内では負けなしの強い選手ではあるが、僕は昔から、彼のことを日本のFakerではなく、日本のKaeneと称してきた。
Ceros選手は奇妙なチャンピオンプールばかりが目立っている選手だが、それより重要なのは彼が相手にキャリーさせない技術に長けた極度のアンチキャリーという事実である。
彼はレーン戦で相手に有利を握らせなくすることを強要するプレイをする。そのためLJLでも屈指のMIDレーナーたちは彼のせいで最終的には彼ら本来のパフォーマンスを発揮できないまま、試合を続けないといけないくなるのだ。
具体的にCeros選手がどれくらい対面のMIDレーナーのダメージシェアを低くしているかをUSGのDasher選手、CGAのLuna選手、BCのRoki選手を例に数値を見ていこう。
Cerosがレーン戦で勝つことは滅多にないし、ロームもほとんど行わない。だが彼はmidレーナーのプレッシャーを削ぎ落とすことで、敵のダメージ源を欠落させ、ストレスを与え得る。当然対面のmidレーナーはこれを乗り切るために普段以上のスノーボールを強要される。何故ならそうしなければ勝てなくなるからだ。
DFMは一度も新しい部分を我々に見せていないという事実
これはチームへの一種の批評のようにも聞こえるが、シンプルに彼らは見せる必要がないから見せていないだけなのだ。Evi選手はナーという今シーズン負けなしのチャンピオンを夏から多用するようになったが、ナーというピック自体は彼のキャリア全体で3番目に多いピックだ。また彼はタムケンチも今シーズンは多く使うようになったが、これは彼を象徴するようなピックなので、ナーと同様だろう。
次にCeros選手だが、アジール、カルマ、そしてハイマーディンガーを今シーズンは中心にプレイしている。Steal選手は21試合中16試合を4つのチャンピオンだけでプレイしている。事実DFMで今シーズン最も広いチャンピオンプールを見せた選手はGaeng選手である。
さらに面白いことに、彼らは本来はピックしないといけないメタチャンピオンたちをシーズン中一度もピックしていないという事実である。例をあげると、アカリ、エイトロックス、オラフ、グラガス、コーキ、ジェイス、キヤナ、シヴィアなどのチャンピオンたちだ。
加えてジャングル以外でサイラスを使ったのは一回だけだし、ニーコやカルマをTOPで起用したことは一度もない。
この事実はDFMへの批判材料になるのだろうか? 究極的に言えば、彼らに対して文句をいうのは難しいだろう。何故ならDFMは独自のスタイルを持っており、伝統的にメタチャンプ以外で戦おうとする傾向の強いチームだからだ。言うなれば、上記にあげたチャンピオンたちは彼らのプレイスタイルに合っていないため、必要ないのである。
DFMが彼らを使うことができるのか、実は使いたがっていたのかを我々が知るすべは今の所ないが、彼らがWorldsでどんなドラフトを仕掛けるかは、注目すべきところだろう。
サイドレーンに目を向ける
DFMのキャリーラインはTOPレーンとBOTレーンに存在する。一方Ceros選手とSteal選手の役割はというと敵が生み出すプレッシャーとキャリーのスケーリングを遅らせ、無効化することである。究極的に言えば彼らはプレッシャーを出す仕事をEvi選手、Gaeng選手、Yutapon選手に丸投げしているのである。ここではCeros選手が全くロームをしないことについて触れていくが、これは彼がスプリットプッシュを行わないという事実へと繋がるのである。そのため、彼はずっとウェーブクリアを行わないといけない。
逆にCeros選手が一切行わないスプリットプッシュという行為がEvi選手を日本で最も優れたTopレーナーにしているのである。何故なら彼はスプリットプッシュがどのプレイヤーより上手でかつ回数がとても多いのである。
結論
LJLがこれからも進歩し続けて、ワイルドカード地域でも上位の地域になれるかはまだ不明ではあるが、彼らがMSIやWorldsで素晴らしい試合をみせたIsurus GamingやInfinity Esportsを擁するラテンアメリカに対しても素晴らしいパフォーマンスを発揮すると僕は期待している。一方ヨーロッパ第3シードであるSplyceとの試合は間違いなく困難なものになるでしょう。ここまで読んでくれて本当にありがとう!! DFMファイティン!!
まとめ
非公式ながらもLJLの英語放送を行なっている唯一の人物であるキャスターJoushi氏のDFMの分析記事でしたが、いかがだったでしょう? 私は有名な海外キャスターたちと遜色ないくらい素晴らしい分析だと思いました。彼は定期的にTwitchチャンネル上で配信しており、またハイライトはLJL Highlights! Meanwhile in Japanさんが日本語訳つきで、定期的にまとめてらっしゃるので、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか? きっと面白いと思いますよ。
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翻訳元
サイドレーンに目を向けるの2段落目最後の文書「彼はずっとウェーブクリア〜」のところ多分cerosの対面がって意味だと思うんだけど現状の文章だと伝わりにくい気がする。
返信削除次の更新も楽しみにしてます。
ご指摘ありがとうございます。原文だとHe’s on permanent wave clear duty.となっているので、Ceros選手のことだと思ってこのような表現にしました。 今後はわかりやすい表現を書けるよう精進したいと思います。
削除これからも当ブログをよろしくお願いします。